大麻について、日本では頭ごなしに「ダメ、ゼッタイ」と主張されることが多く、正しい知識を持っている方は少ないかと思います。覚醒剤と同じように考えてる方も多いかもしれません。
ですが世界では、大麻に含まれる成分(CBDやTHC)が持つ効果を評価し、「医療用」として大麻を合法化する国が増えています。
アメリカやイギリス、カナダでは医療用大麻や嗜好品としての大麻を一大産業にすべく準備が急速に進んでいるのが現状です。
大麻を頭ごなしに否定し、学ばないでいると、大麻のあらゆるメリットに気がつかないままで他国に置いていかれてしまいます。
そのため、この記事ではWHO(世界保健機関)の大麻研究報告書やCBD研究報告書など、信頼できる情報源から、大麻についての正しい情報をお伝えいたします。
今回の記事では、
- CBDとはなにか
- 医療用CBDはなぜ身体にいいのか
- 医療用CBDはどんな病気に効果があるのか
の3点をわかりやすくご説明します。
CBDとはなにか
大麻の有効成分は主に2種類あります。
THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)です。
ここではこの中のCBDについてご説明します。
CBDを簡潔にまとめると「依存性のない人間の健康に効果的な物質」です。
大麻の成分の一つである「CBD」が「依存性のない」「健康的」な物質と聞くと信じられないかと思います。
ですので、以下ではCBDについての、WHO(世界保健機関)のレポートを元に説明していきます。
CBDには依存性がないという事実
CBDについて、WHOのカンナビジオール(CBD)事前審査報告書では以下の記載があります。
乱用傾向の実験モデルで、CBD は、条件づけられた薬物処置区画の嗜好性あるいは脳内自己刺激にほとんど影響を与えないように思われる。ヒトにおいて CBD は、乱用あるいは依存可能性を示唆する作用を示さない。
薬物依存専門委員会(ECDD)の第39回会議の5.2カンナビジオール
つまりCBDには、私たちが「大麻」について一般的に抱いているような「依存性」はありません。
CBDは健康に良いという事実
CBD は、現在フェーズⅢ試験において純 CBD 製品(エピデオレックス)を用いたいくつかの臨床試験でてんかんの効果的な治療として実証されている。CBD が多くの他の健康状態のために有用な治療であるかもしれないという初期的なエビデンス(科学的証拠)もある。
薬物依存専門委員会(ECDD)の第39回会議の5.2カンナビジオール
つまり、CBDはてんかんの治療薬として有効であると実証されています。また、てんかんほど研究は進んでいないものの、他にも人の健康に様々な有効な効果があるという初期的な科学的証拠もあります。
CBDはなぜ身体にいいのか
CBDは依存性がなく、身体にも良いため、様々な国で医療への応用が期待されています。
ではなぜCBDは人の健康に効果的に作用するのでしょうか?
それは、CBDが人間の体内のエンド・カンナビノイド・システム(ECS)のバランスの崩れを正常に戻すからです。
エンド・カンナビノイド・システム(ECS)は強いストレスを受けたり、歳を取ると崩れます。
そして、ECSが崩れると様々な病気を引き起こします。
ECSを正常に戻す物質がカンナビノイドで、大麻にも含まれる成分です。
そもそも、人間の体内では大麻を吸わずとも、大麻同様のカンナビノイドが生成されています。
人間の体で作るカンナビノイドを「内因性カンナビノイド」
大麻草が作るカンナビノイドを「植物性カンナビノイド」と言います
メリーランド大学のBradley E. Alger博士がNCBIに掲載した論文の一部を下記の通り引用します。
カンナビスが様々な病気や治療(慢性疼痛、悪心、食欲、喘息、緑内障、腫瘍増殖の抑制、炎症、糖尿病、PTSD、統合失調症、慢性関節リウマチ、てんかん、パーキンソン病、心血管疾患、抗精神病、抗不安、さらには筋痙攣または神経因性疼痛に対する鎮痛剤、など)に効果があるとされる根本の理由はこのエンド・カンナビノイド・システムを刺激し、恒常性を保つ効果があることにあります。
ヒトの健康と疾患における内因性カンナビノイドシステムの調整:成功と失敗
つまり、カンナビスが様々な病気の原因を取り除く効果があるのは、カンナビスがECSの恒常性を保つ効果があるからです。
しかし、強いストレスを受けたり、歳をとることで、体内で生成される内因性カンナビノイドの量が減ってしまい、ECSのバランスが崩れ、様々な病気を引き起こします。
そこで、医療用大麻製品を用いて、体内での生成量が不足している内因性カンナビノイドの代わりに植物性カンナビノイドを摂取することで、本来のECSの働きを正常に取り戻して、様々な病気の原因を解決することができます。
CBDにはどのような効果があるのか
現在カンナビノイドが特に有効だと考えられているのが、老人退行性疾患です。
つまり、老化により身体の機能が低下し、病気にかかりやすいという状態に対して、カンナビノイドが有効ということです。
人間は老化すると、悪性腫瘍、認知機能低下、アルツハイマー病、心臓疾患、糖尿病、自己免疫疾患などのリスクが増します。
カンナビノイドはこれらに対して有効に働くのではないかと考えられています。
CBDの効果について、下記で紹介していきます。
不安を和らげる
人前で過度に緊張してしまう「あがり症」の被験者に600mgのCBDを摂取したところ、人前でスピーチするときに失敗が少なくなったという実験結果もあります。また思考が落ち着きリラックス効果を得られることからPTSD治療においても有効ということがわかっています。
痛み・炎症を緩和する
CBDは疼痛伝達経路におけるニューロンの信号伝達を抑制することで痛みを調整することがわかっています。つまり、頭痛や関節症の痛みを緩和する効果があります。
発作作用を抑制する
てんかんの発作抑制に効果的であると考えられ、特に難治性てんかんを患う子どもたちの両親がCBDに期待を寄せています。イギリスのGW製薬のCBD製剤(エピディオレックス)での臨床試験では、200名の患者のうち78%において発作の数を減少しました。さらに、25%においては100%発作がなくなったという結果が出ています。
神経を保護する
アルツハイマー病、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、脳卒中などの神経変性疾患は、脳や脊髄にある神経細胞のうち、特定のものが徐々に障害を受け、機能を失ってしまう病気のことです。原因は不明とされ、根治するための治療法も見つかっておりません。CBDはこれらの疾患に対して、症状を悪化させる炎症を抑制する効果が期待されています。
免疫システムのバランスを整える
人間の健康は、免疫システムのバランスによって保たれています。免疫が過剰になれば、食物アレルギーや皮膚炎、喘息などのアレルギー反応が起こり、反対に免疫が低下すれば、がんや感染症の発症リスクが高くなります。CBDはECSに働きかけ、これらのバランスを整える作用があると考えられています。
まとめ
大麻が人の健康にどのような効果をもたらしてくれるかをご紹介してきました。
私たちが大麻について一般的に抱いているような依存性はなく、人の健康に様々な有効な効果があります。
特に、老化により身体の機能が低下し、病気にかかりやすいという状態に対して、大麻が有効です。
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